会社の気が合う面子が開催してくれる。
幹事は、彼。
「私の趣味は熟知してるもんね」
「任せてください」
以前教えてくれたタパスやさんに行きたいな、と
念を送っていると、案の定その店に決定。
以心伝心やね、と微笑むと
あたりまえじゃないすか、と笑顔。
周囲は私たちの色々を知らないので
こんなに一致してる男女って珍しいよね。
二人は、どうなの?なんて無邪気に聞いてくるのですが
ずっと仕事してると、嫌でも似てくるよね…
そういえば、○○さんてカッコいいよね。実はずっと目の保養やってん、なんて
他の男子の名前を挙げて、話をはぐらかす。
彼曰く「絶対合わない」と全否定。
じゃあ、どこに合う人がいるの。教えなさいよ。と
笑いながら詰め寄る。
周囲から見ても、私たち「合ってる」んだって…と
心の中でつぶやきつつ。
彼もそれを察してか、複雑な顔。
彼のおねえさんが、私のひとつ下と知り、驚愕。
「おねえちゃんと僕、似てるんですよ」
「へえ、仲良くなれそう」と、つい口走ってしまう。
「間違いなく仲良くなれるでしょうね」と、彼も。
出会う順番が違っていれば、可能性はあったのかな。なんて
思う自分が意地汚くて、いやだ。
楽しく時間を過ごして、
やっぱりこの人のことが人として大好きだ。と再確認し、
他のメンバーと別れ、2人電車に乗り込む。
へんな間が流れ、彼のほうを見ると
視線を外さない。
意地になって視線を外さずに、なんとなくみつめ合う。
ちょっと耐えられなくなって
最近読んだ本の話でお茶を濁す。
ここでも意気投合し、
櫻井よし子の本を彼から借りることで合意。
もう気持ちは振り切ったはず。
振り切る。
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